重力単位系とSI単位系(Systeme International d'Unites)

計量法の改正 (平成4年)により,平成11年10月1日からSI単位(国際単位系:Système International
d'Unités/International System of Units)を主体とした法定計量単位に全て移行され、日常生活等において、
法令、JIS、機器(機械)仕様書、教科書等、多分野で共通的にSI単位が使用されています。
日常生活では、「力」は[Kgf] という重力単位系で扱われていますが、SI単位系での「力」の単位は [N] です。
重力単位系の力の単位は、単位質量にかかる重力として定義されます。
国際単位系は7つの基本単位を組み合わせて組立単位の定義を行います。

7つの基本単位

時間 (s) 秒(second) 時間(time)の基本単位
長さ (m) メートル(metre) 長さ(length)の基本単位
質量 (kg) キログラム(kilogram) 質量(mass)の基本単位
電流 (A) アンペア(ampere) 電流(electric current)の基本単位
熱力学温度 (K) ケルヴィン(kelvin) 熱力学温度(thermodynamic temperature)の基本単位
物質量(mol) モル(mole) 物質量(amount of substance)の基本単位
光度 (cd) カンデラ(candela) 光度(luminous intensity)の基本単位

各単位系の違いについて

重力単位系

1 [Kgf] は、1 [Kg] の質量の物体が重力加速度 9.8 [m/sec2] で加速された時に生じる「力」です。

SI単位系

1 [N] は、1 [Kg] の質量の物体が加速度 1 [m/sec2] で加速された時に生じる「力」です。

※ 1 [Kgf] と 1 [N] は、9.8倍違う事になります。数値が、各単位で各々存在するので、設計計算を行ったり、 計算書や仕様書を作成する時は、SI単位で実施した方が良いと思います。

単位系の表現について

例えば、「1kgの力がかかる」場合、重力単位系では、「1kgの力がかる」と表現し、

SI単位系では、「9.8N(ニュートン)の力がかかる」と表現します。「力とは質量と加速度の積」なので、

1N=1kg・m/sec2 です。つまり1kgの物体に1m/sec2の加速度を掛けたものが1Nです。

重力単位系での力はkgfと言う単位を使います。重力単位系での質量はkgf・sec2/mと表現されます。


使用する主な単位(SI単位系)

質量 t、kg、g、mg
長さ m、cm、mm、μm
面積 km2、m2、mm2
体積 m3、mm3

工学単位(重力単位系)とSI単位

量 \ 単位系 工学単位系 SI 単位系
1kgf 9.81N
圧力 1kgf/cm2=10tf/m2 98.1kN/m2=98.1kPa=0.0981MPa
1tf/m2 9.81kN/m2=9.81kPa=0.00981MPa
単位体積重量 1gf/cm3=1tf/m3 9.81kN/m3
仕事 1kgf・m 9.81N・m

SI 単位系と重力単位系の基準単位

量単位 \ 各単位 SI 単位 重力単位
力の単位 1N 102gf
0.981N 100gf
圧力の単位 100kPa 1.02kgf/cm2
98.1kPa 1kgf/cm2
加速度の単位 1m/s2 0.102G
9.81m/s2 1G
モーメントの単位 10N・m 1.02kgf・m
9.81N・m 1kgf・m