舞台機構は、吊物機構と床機構で構成され演出効果(照明・音響)を構築するには欠かせない設備です。
吊物設備は、小ホールから大ホール 、学校、病院、ホテル宴会場などの各施設で設置されています。
各機構は安全性と耐久性に優れ、動作が円滑確実で発生騒音と振動が少ないことを充分に留意した設計・製作・据付が必要になります。
機構の解説、参考設計図、機器仕様書、部材の参考強度計算など掲載していますので、施主・役所・設計事務所等に提出する設計図書の
作成などにお役立てください。
設計方針は、建築基準法、日本建築センター、日本建築学会、懸垂物安全指針等の基準により、工事に用いる標準仕様書は、建設大臣官房官庁営繕部監修の建築工事共通仕様書、同電気設備工事共通仕様書、同電気工事標準図及び日本工業規格、日本電機工業会標準資料によります。
1. 吊物機構
2. 吊物機構の駆動方式
3. 吊物機構参考図
4. 設計標準機器仕様書
6. 舞台床機構
7. 舞台床機構参考図
8. 昇降装置の設計にかかわる計算(昇降機の設計にかかわる判定を行います。)
1. 吊物機構
吊物機構は、緞帳設備・照明設備・道具用美術バトン設備・音響設備などの種類があります。
種類 | 吊物設備の名称 | 手動 | 電動 | 駆動方式 | 備 考 |
緞帳設備 | 緞帳 | ○ | ワイヤー | ||
引割緞帳 | ○ | ○ | ロープ・ワイヤー | ||
絞り緞帳(定形絞り、変形絞り、オペラカーテン) | ○ | ワイヤー | |||
照明設備 | ライトブリッジ・タワー(トーメンタルタワー、ライトタワー) | ○ | ワイヤー | ||
ライトバトン(サスペンションライト、ボーダーライト、ホリゾントライト) | ○ | ○ | ロープ・ワイヤー | ||
バトン設備 | 美術バトン(大道具用、重量物用、映像スクリーン) | ○ | ○ | ロープ・ワイヤー | 重量物用とASCは、電動式 |
幕バトン(定式幕、暗転幕、引割幕、袖幕、一文字幕、ホリゾント幕) | ○ | ○ | ロープ・ワイヤー | ||
音響設備 | 音響反射板 | ○ | ワイヤー | ||
残響可変装置 | ○ | ○ | ワイヤー・歯車 | ||
客席可変装置 | ○ | ワイヤー・歯車 | |||
その他 | ポータル(ポータルブリッジ・ポータルタワー) | ○ | ○ | ワイヤー・レール | ポータルブリッジは、電動式 |
2-1) 手動カウンターウェート方式・電動ワイヤーロープ巻取り方式
2-2) 電動ワイヤートラクション方式・美術バトンの吊許容荷重
3. 吊物機構参考図
3-1)舞台吊物設備平面図3-12) 昇降装置外形図
(1)ライトバトン昇降装置・電動トラクション(Wラップ式)昇降装置・側面音響反射板昇降装置外形図(1) ライトバトン昇降装置・電動トラクション(Wラップ式)昇降装置・側面音響反射板昇降装置外形図
(2) プロセニアムアーチ電動トラクション式昇降装置・跳ね上げ舞台昇降装置・三ツ折り緞帳昇降装置外形図
3-15) 舞台機構制御盤・操作盤外形図
(1)制御盤及び操作盤外形図(7) 舞台機構制御盤・操作パネル・機器表・単線結線・配線系統図
3-17) その他設備図
(1)バトン吊点部詳細図(宴会場)(4) スノコ参考図・手動ウインチブラケット式・手動ウインチ自立式設備図
4. 設計標準機器仕様書
・ 電動機 | ・ 減速機 | ・ 制動機 | ・ 巻取ドラム |
・ メインシーブ(摩擦車) | ・ ガイドプーリー(そらせ車) | ・ 伝導軸 | ・ 機械架台 |
・ 枝滑車及び横滑車 | ・ 元滑車 | ・ 吊物用カウンターウェート | ・ 吊物用ウェート枠 |
・ 吊物用ガイドレール | ・ 吊物用パイプ | ・ ワイヤーロープ | ・ カーテンレール |
・ 鉄骨フレーム | ・ 塗 装 | ・ アンカーボルト | ・ リミットスイッチ |
・ 制御盤 | ・ 舞台機構操作盤 | ・ 幕 地 |
5. 葡萄棚(スノコ)の強度計算、部材の検討※スノコ荷重計算は、設計に応じ吊物荷重を算定し直すものとする。
|
床機構は、垂直・水平・回転型などの種類があります。
6-1) 垂直型移動舞台 : 小迫り、大迫り、オーケストラ迫り、ひな段迫り、床迫り(ホール、宴会場)垂直型舞台 | 大きさ | 積載荷重 | 速度 | 備考 | |
静止時 | 運転時 | ||||
小迫り(すっぽん:花道にある小迫り) | 0.9m×0.9m〜1.2m×2.4m | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 6〜15m/min | 主に出演者・俳優を乗せます。 |
大迫り | 1.2m×2.4m以上 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 6〜15m/min | 主に大道具などを載せます。 |
オーケストラ迫り | 編成により異なります。 | 500kg/m2 | 100kg/m2 | 2m/min | 前舞台としても使用されます。 |
ひな段(オーケストラ) | 幅:9m〜12m 奥行:1.2m〜2.4m | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 2m/min | 舞台中心部分に1〜3列設置 |
機材専用迫り | 2.0m×2.4m以上 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 6m/min | 大道具・グランドピアノの搬入搬出。 |
駆動方式 | 所要動力 | レベル保持 | ピット深さ | 備 考 |
ワイヤーロープドラム巻き取り式 | ○ | × | △ | 経済的で所要動力が比較的少ない。レベル保持が難しい。 |
スクリューネジ式 | × | ◎ | ○ | レベル保持に優れている。駆動部のピット深さが浅い。所要動力が大きい。 |
ラックギャー式 | ○ | ◎ | × | レベル保持に優れている。複数迫りの連結駆動が可能。駆動部のピット深さよりラックギャー格納スペース(ストローク+α)が必要。 |
レバー式(スクリュー型) | × | ○ | ○ | 行程、ストロークに制限がる。概ね1.5m以下。 |
レバー式(油圧型) | ○ | × | ○ | 大容量、低楊程に適する。 |
パンタグラフ式(スクリュー型) | × | ○ | ○ | 行程、ストロークに制限がる。概ね1.5m以下。 |
パンタグラフ式(油圧型) | ○ | × | ○ | 大容量、高楊程(5m〜10m位)が可能だが揺れ対策が必要。速度が遅い。 |
水平型舞台 | 大きさ | 積載荷重 | 速度 | 備考 | |
静止時 | 運転時 | ||||
スライディングステージ | 間口×2.4m〜4.0程度 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 0〜50m/min | 舞台床と同レベル面での水平移動。 |
ワゴンステージ | 1.2m×2.4m以上 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 0〜30m/min(レールあり) 0〜10m/min(レールなし) |
ユニットワゴンの上に舞台装置などを組立て 側舞台、後舞台より移動して使用する。 |
舞台型式名 | 駆動方式 | 備 考 |
スライディングステージ | 電動フリクション式・電動ワイヤーロープ式・電動チェーン式・電動ラック式 | |
ワゴンステージ(ガイドレールあり) | 電動チェーン式・電動ロープ索引式・電動自走式(マシンを内蔵CR供給) | レールは、舞台床面に埋設。 |
ワゴンステージ(ガイドレールなし) | 電動自走式(マシンを内蔵CR供給)* ・手動式(枠引き) | *バッテリー・無線制御式あり |
回転型舞台 | 大きさ | 積載荷重 | 速度 (外周速度) |
備考 | |
静止時 | 運転時 | ||||
平 形 | プロセニアム開口の80%以上 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 0〜60m/min | 奈落ピットが浅い場合 |
円筒形 | プロセニアム開口の80%以上 | 360kg/m2 | 100kg/m2 | 0〜70m/min | 迫りなどを内蔵できる。 |
仮説舞台(回転ワゴン) | 10m前後 | 250kg/m2 | 50kg/m2 | 0〜60m/min | 必要時に組立て使用する。 |
駆動方式 | 停止精度 | 備 考 |
ワイヤートラクション式 | × | 各形式に組み込み可能である。停止精度が悪い。ワイヤーロープの伸びやすい。 |
フリクション式 | × | 停止精度が悪い。 |
ギャー式(歯車式) | ○ | 制動レベル・保持が容易で円筒形に適している。 |
自転式(マシン内蔵) | ○ | 制動レベル・保持が容易で円筒形に適している。 |
TOP|Web計算機|2桁暗算|強度計算ソフト|産業廃棄物処理機の設計|MAIL|ソーシャル・プラグイン SNSボタン(いいね)の設置方法 |